いずれアプリケーションのコードの多くは AI に任せられる、という空気があります。それが現実になっても、どのライブラリやパターンを前提にするか を決める層が消えるわけではありません。むしろ、「助手が恥ずかしくない」と言える OSS が、そのまま標準の候補になります。
AI が接着剤を書く世界で何が変わるか
モデルは、すでにあるものを組み立てるのが得意です。既存の「普通」を増幅します。だから効き目が大きいのは、もう一つの CRUD だけでなく、土台の選定 — 速いコーデック、挙動を説明できるキャッシュ、Git で読めるエッジセキュリティ — です。
僕が張っている賭けの一つは、「AI のおすすめリスト」に載る土台の OSS を形にして届ける役割が、主として現役で基盤に手を動かしているエンジニア(まだ同じように構造を考える人を含む)に残された時間帯として、しばらく続くのではないか、ということです。他職能が関与できない、という意味ではありません。その役割そのものが、いずれ自動化側に飲まれる可能性もある。だからこそ npm や GitHub に置くのは「あとで」ではなく、いまだと感じています。
OSS は個人のリーチを超えられる
個人開発は知り合いの数人で止まることも多い。OSS はその天井を飛び越えて、知らない誰かのレイテンシ予算に入り込みます。「一度自分のために作った」から「何千ものデプロイに載る」への跳躍は、いまだに面白く、動機になります。
アロケータ、画像コア、エッジ向けポリシーのコンパイラ — 低レイヤーはデモ映えしません。でもそこで積み上がる負債は効きます。ベンダーコンソールの裏に隠すより、検査できる OSS として積み上げたい派です。
結び
AI は機能を積む速度を上げますが、物理・コスト・セキュリティは消えません。床(フロア)は誰かが引き受けます。その床を、自分(たち)が説明できる OSS にしておく安心感と、人間の専門性がまだ効くうちに形を残すこと — この記事は、その両方についてのメモです。